ここの所、大幅な円安が続いている。
これは、海外投資系のファンドの売れ行きが著しい動きを見せていることによるもので、円を売って他国通貨を購入して投資しているから、自然、現時点で円安が続く現象となっている。
実体経済では、物品の売買のために通貨が使われ、需要と供給の原則に沿って価格決定がなされて、通貨と物品の交換レートのバランスが取れるものだが、金融経済の場合は、通貨と通貨の交換レートが需給バランスで決定されてしまうから現在のような非常に不安定な経済が形成されてしまうことになる。
経済大国と呼ばれている国は、アメリカ、日本、ドイツであるが、アメリカだけは、貿易赤字、財政赤字が増え続けているわけだが、なぜ破綻しないのか。
これは非常に解りづらいかもしれないが、上記の金融経済の調整や政治力、軍事力でバランスをとっているのである。
例えば日本やドイツが貿易黒字を続けることによって、資本蓄積が増え続け、資本輸出の余力がでるから、他国への投資が可能となる。これを、そのまま他国にもっていかれれば、貿易赤字を繰り返して、信用力の低下しているアメリカのドルは売られ、アメリカは破綻を余儀なくされてしまう。そこで、米ドルを保有する国際資本は具合がわるいから、世界の基軸通貨を米ドルに仕立て、投資する際は、米ドルに交換させたりする。そうすることによって、まずは信用力のない米ドルに価値をもたせて危機を回避させていたわけだが、それだけでは、到底、追いつくはずもない。
そこで日本に意図的に「バブル経済」、「バブル経済の崩壊」を仕立てて、日本の金融機関に体力を低下させ、低金利政策によって金融格差を増大させた上でニューヨークダウなど株価を上昇させる。すると、米系ファンドが外資(日本など)を導入して、さらに株価を押し上げるから、実体経済から乖離した株価だけが上昇し、上場企業の資本が上昇し、米国内の消費に結びつく。この間、日本の円は売られ、米ドルは買われるから、実際には実力のない米ドルの価格は、対円で上昇することになる。更に、最近までは、アメリカ国内の不動産、特に住宅需要は、まさにバブル経済時のように上昇し続けていたから、株価、不動産、そして設備投資と、貿易赤字&財政赤字の米国景気は、実態とそぐわない形で上昇の一途をたどっていた。
ところが、昨今、アメリカ国内において住宅ローンの債務超過が顕著となり、民間の住宅ローン会社が破綻し始めている。アメリカの場合、民間の金融機関が住宅ローンなどの融資をすると、政府系の抵当公社に抵当証券を売却して、追加の資金を調達する仕組みになっているから、住宅ローンを借りた債務者が破綻すると、民間の金融機関とあわせて政府系の公社に被害が及ぶ。結果、またもやアメリカ政府は、これらの債務を負うことになるから、財政は更に悪化することになる。
従って、今後、アメリカ政府は、追加で国際資本の借り入れ、つまり米国債の発行によって資金繰りを行うことになるのだが、日本政府だけでは足りず、諸外国にも、ほぼ強制的に国債を買わせたり、米ドルでの外貨準備金を積み立てさせている。
更に、ご存知のとおり、米系ファンドは、中国政府に投資の話を持ちかけて30億ドルの投資をさせ、中国元と米ドルの交換をもって米ドルの価値を高めたりしているわけだが、今後も引き続き、かような手口で米ドルの価値を維持させることは難しいのではないかと考えている。
橋本龍太郎が首相のときに「米国債を売る衝動に駆られることがある」というような発言をした際にも、アメリカ政府は、真剣に潰しにかかったし、フセイン元イラク大統領が「今後のオイルの取引はユーロで取引を行う」などと発言したことで、戦争に突入させられた訳だが、無理に米ドルの価値を維持し続けようとする現時点のアメリカ経済は、危険極まりない状況にあることは間違いない。
ファンドの投資は、買場だけではなく、必ず売場がある訳で、手仕舞いや信用不安による売場が発生すれば、そもそも脆弱な米ドルは暴落する可能性がある。
金融工学などの知識を持たない日本人は、ファンド系の投資信託や不動産投資信託などに泣けだしの資金を投資しているが、海外のファンドに投資すれば投資するほど前述のようにリスクは膨らむ構造になっているということを知るべきである。
日本人の個人の金融資産は、約1500兆円。
これらの資産を年率10%で運用できれば、年間150兆円、国家予算の倍以上の付加価値は作れる。そう考えれば、日本人は、日本国の価値、日本の国土の価値を高める為の投資をするべきであって、日本国内への投資を行うべきである。
不動産投資においては、首都圏でもまだまだ余地はあるし、地方圏の価値の創造にも、まだまだ余地はあるように思う。地域で足りないもの、ほしいものなどを分析すれば、まだまだ、新商品の開発も進むだろうし、農業においても、工業においても、観光資源などにおいても、再度、見直す時期が来ているように思う。
国際金融市場に巻き込まれて市場操作に翻弄され、アメリカの動きに一喜一憂する政治や官僚の体質を改善させうるべきは日本国民であり住民であり、日本企業である。日本は既に先進国の仲間入りを果たし、経済大国と言われるまでに発展してきた。既に、ものまね的な製造業からは脱皮し、知的財産においても、製造技術面においても、充分、世界に通じるものを構築してきたわけで、そろそろ本格的な資本主義に脱皮してもよい時期ではないかと考えている。
大局的な話だけではなく、不動産の業務についても、同様なことが言える。
現状の不動産業者の業務のあり方で、日本の不動産の価値を向上させられるとは、決して考えられない。
この度、本気で「CFネッツグループ」が全国展開を模索している事情には、日本の国土を豊かにしたいと考えた場合、既存のやり方がそぐわないと考えており、これは、人任せでは結果が出せないと考えたからである。不動産コンサルティングとプロパティマネジメントの手法は、全国的に通用するものと考えているし、技術的には、国際標準的な手法を日本国内にも通用する形で改良している。また、既存のインフラを活用することによって、コストの削減と売上の増加も図れるものと考えている。
そして、これらのサービスのすべては、日本国内の資産家や、投資投資家に与える利益は、大きいものとなることは間違いがない。
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