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昏迷を続ける「日本経済」はいつになったら回復するのか? 


某「大手生保」と「大手証券会社」が、本当に危ないらしい! これは、決して「週刊誌」の「ゴシック」ではない。

  最近、あちらこちらで「講演」したり、専門誌の「取材」を受けたりしているうちに、本当に仲の良い「仲間」が増え、 その「仲間」うちで「勉強会」やら、「研究会」やらを組んでは、定期的に情報のやり取りをしている。
  メンバーは「経営者」が圧倒的に多いが「弁護士」「税理士」「公認会計士」「不動産鑑定士」「大学教授」 「金融コンサルタント」「FP」等の専門職のひとも多く、おまけに「勉強熱心」なひとばかりである。
また、中には新聞、雑誌やTV等にも出て活躍しているひともいたりするから、実に「張り合い」があって楽しい。

  そんな「仲間」での食事の最中、突然、そんな話が飛び出したのである。

  仲間うちの非常に親しい「金融コンサルタント」が分析した結果らしいが、この件に関して私自身も充分ありえる事態である、 と考えている。

  日本経済は「景気が緩やかに回復?」して、「金利は上昇傾向にある?」というのが「一般的」な考え方のようであるが、 現状の日本の経済は「お役所」や「日銀」の考えているほど、生易しいものではない。 現状のままでは、今後も中堅クラスの「ゼネコン」や「デベロッパー」等はますます淘汰されてくるだろうし、それに伴って 「金融機関」も、再度、厳しい立場に追い込まれる、と考えられる。

だいたい今回の相次いで「倒産」した「ゼネコン3社」と「株価」が150円にも満たない「上場企業」にそれほど変わりはなく 「金融機関」としても現状はせめて一気にそれらが「パンク」しないように祈りながら徐々に順を追って処理を進めるしか 「逃げ切る」方法はないだろう。

  随分前の本レポートでも書いたことがあるが、ゼネコンやデベロッパー等は製造業のようなものであるから、 中堅企業といっても社員数はかなり多い。

  最近は、おまけに経費削減のために「アウトソ−シング」に企業体系を転化させながら、本業以外の赤字な事業を 拡大してきたのだから、社員以外にも、それらの企業に従事するひとの数は非常に多い。
おまけに、最近、倒産企業のほとんどの場合、連鎖倒産が急激に増えている。

ご承知のとおり、ゼネコンの場合は 「ゴルフ場開発」や「受託企業の債務保証」それに加えて「有利子負債」の「負担増」などであるから、 それらが一気に飛んでしまえば、とてつもない「負債」と救いようがないほどの「失業者」が増えてしまうことになる。

  当然「失業者」が増えれば「福祉」に関わる費用も増え、さらにそんなときに限って「公務員」のかずは減らさないから、 「政府」も「企業」も「公共団体」も財政は緊迫する。
「財政」が「緊迫」するから「税務署」は理屈をつけては「増税」して 厳しい取り立てを行う。そうなれば「中小企業」も「大手企業」も、また「個人」においても、 「金銭的な余裕」なんてなくなるから、無駄な「お金」は使わない。
無駄な「お金」を使わなければ「国内消費」は減退する。 そして「国内消費」が「減退」すれば、再度、対「アメリカ」との「貿易黒字」が増大し、日米間の「貿易摩擦」は加熱する。

  さて「日米貿易摩擦」が加熱すればどうなるか?
  なんだか「風が吹けば桶屋が儲かる」式の説明になってしまったが、今後も「ゼネコン」「ディベロッパー」、 あるいは「中堅の上場企業」が淘汰され、さらに、再び「輸出関連企業」に陰りが出てき、おまけに「金融機関」などはさらに 「不良債権処理」を強いられるとすれば、今後の日本経済はどうだろう。

結果的には、まだまだ「景気」なんて「回復」しないし、またこんな時期に 「金利」なんて上げようとすれば、先の「ゼネコン」「デベロッパー」その他の「有利子負債に苦しむ企業」の倒産時期が 早まってしまい「金融機関」等は更なる「不良債権処理」を強いられ「BIS(国際決済銀行)の規定」の自己資本比率は たちまち減ってしまう。従って、「金融機関」自身も危なくなってしまうから「金利なんて上げられない」 、のである。

おまけに、いま「金利」を上げるようなことになれば、「日米金利格差」が縮小し、不安定な「ドル」は売られ「円」が 買われることになる。

  いずれにしても、しばらくの間「日本の景気」は低迷する可能性は高いから、当然、「日本の株価」だって上がらない。 そこで「運用益」を見通して「商売」している「生命保険会社」は「日産生命」のように約束した「高利な配当」が 「仇」となり一段と厳しい環境を強いられるだろうし、「バブル」時代の経営体質が抜けない「証券会社」だって危ないに 決まっている。

   日経平均株価が19000円を割ったら、生保の「含み資産」は何もなくなるばかりか、「運用損」はさらに膨らむことになる。

  だらだらと「日本経済」について、過去の「本レポート」の「復習」みたいなことを書いてしまったが、いよいよ、 かつて予想してきたように「国際経済」は非常に「危険」な状態に入りつつある。

  「日本」は、戦後、急激な経済成長を遂げ、その稼いだ「お金」を「海外」に「大量な円借款」という形で「日本円」を ばら撒きつづけてきた、世界一の「債権国」である。それも、ほとんどが「自分の意志」で行ってきた「投資」ではなく、 「米国」の指示のまま「仕方なく」なんの担保も取らずに貸付けてきたものばかりだから、その「債権」についても、 「アメリカ経済」と非常に「関係」が深い。

みんなが「あやしい」と思いつつも「情報操作」で加熱しきった現状の米国株価が暴落すれば、ほとんど中身のない 「アメリカ経済」は終わってしまうし、当然「米ドル」も「暴落」する可能性は、充分ある。 そして「国際基軸通貨」に不安が生じれば「国際的なインフレ」が起こることになる。

  「物の価値が上がるインフレ」でなく「通貨価値の下がるインフレ」である。

  これは、かつて高度成長を続けてきた「日本人」が経験したことのないものであることには、間違いない。
  そして、それらが「終局」を迎え、人々や国々が「資本主義経済」や「為替本位制度」の「脆さ」や「空虚」さに気がつき、 現状の「世界の中心」が「米国」から「どこかの国」に移ることになるだろう。

  ついこの間までは「日本」が「有力候補」であった筈であるが、今では残念ながら「日本」ではなく、 また世間でいわれているような「アジア諸国」でもないだろう。

  この辺が安定しなければ「日本の景気」は回復しようがない、のである。  

  こんな「論理」は経済界のトップは「薄々」感づいているだろうし、ましてや「金融界」のトップである「日銀総裁」が 解らないわけはない。当然、それを承知で「景気は緩やかに回復している」などと、寝ぼけたことをいっているのだから、 よほど大きな「外圧」が掛かっているか、「嘘つき」かのどちらかである。

  「いかさま賭博」は、最初はいかにも「儲かる」ような演出がなされ、結局、 加熱したところで、いままでの「利益」を、全部もって行かれるものである。現状「ニューヨーク株式市場」も 「米ドル為替相場」も、先の「いかさま賭博」とさほど変わりはなく「賭場」に招かれた「客人」は、突如、負けがこみだし、 取り返そうと躍起になればなるほど「ぬかるみ」にはまり、結局、気がついたときには「元」も「子」も無くなってしまうものである。

そして「いかさま」に気がつき「文句」を言おうものなら、奥から「恐いお兄さん」が出てきて、脅かされるものだから 「気の弱い」「善良」な「客人」は何も言えなくなってしまう、ものである。

  かつて「本レポート」で、あの「日本のバブル崩壊」についての「危険度」を予測し、「崩壊後」も「長期的な景気の低迷」を 予測してきた。その中でも何度も書いてきたが、バブルの山が高ければ高いほど「ダメージ」は大きく、 期間が長ければ長いほど「ダメージ」は大きい。今回の「ニューヨーク株価」はそういう意味でも異常であり、 その株価に支えられた「景気」も異常である。

  仮に、この「巨大バブル」「国際的バブル」が「崩壊する」となれば、これを「ピンチ」ととるか「チャンス」ととるかは、 個人の「生き方」の自由である。 「住夢」という広告に「成功へのこころの科学」と題して私なりの考え方をすでに「65ヶ月」連載しているが、 その「掲載の第1号」は、

  よいことに喜び、また、悪いことにも喜ぶ。 いつも考え方のなかで、良い方向だと思うこと。というものであった。
私自身はこの日本経済の昏迷期は「1世紀」に何度もない「大チャンス」だと受け止めている。 「金利」を「政策的」に上げられない「日本経済」を襲う「国際的」な 「為替不安」「債権不安」による「インフレーション」。
  今後、生き抜くヒントは「物権主義」である。


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