円安とネクタイ

アウターやインナー、パンツや雑貨小物などアパレルには色々な商材があります。
最近は、百貨店や専門店でも海外で生産して国内で販売されるものが
増えており、その割合も相当数になってきました。
これまでは、超円高が続いていたため、そうしたビジネス戦略は
メリットも大きかったのですが
ここへきて、いわゆる「アベノミクス」により、その流れに
少し変化の兆しが見えてきています。
その影響で株式市場では上場企業の株価も上がり、
なんとなく景気がよくなるという印象がありますが
それは、国内の輸出企業にとっての恩恵であり
輸入を主とする産業にとっては、必ずしもメリットばかりではありません。

海外との取引はドルベースで行われていることが多いため
円が安くなれば、当然仕入れ価格は上がってしまうため
やがてその分は、販売価格へ転嫁せざるを得ないということになります。
ただ、転嫁した分を消費者が吸収できればいいのですが
なかなかそう簡単にはいかずに、企業にとっては頭の痛いところです。
車を運転する人はすでに「ガソリンの価格が上がったなぁ」と
思っている人も多いと思いますが、実際のところ原油の価格が上がったというより
「円安の影響でガソリンが値上がりした」というわかりやすい例です。

ネクタイについても同様のことが言えます。
国内で販売されているネクタイの約8割は、新興国からの輸入品です。
もともと、価格を安くするためにとられていた手法なので
いずれその影響が出てくることと思います。

弊社で取り扱っているネクタイは、すべて国産ですが
生産の過程ではさまざまな原材料も使いますし、生地を整理加工する際にも
ボイラーで多くの燃料を使いますので、コストは確実にアップすることになるのです。
これは、多くの産業に関しても同じことが言えると思いますが
勤労者の収入が、物価上昇に比例して上がって初めてイーブンになるので
実際、家計にとってどういう結果になるかはまだまだ未知数だと思います。
実際のところ、現状でも企業の内部留保は歴史的にも高水準であるにも
かかわらず、長引くデフレと給与の減少、リストラが続いていたのですから
筋書き通りに行くかは微妙なところです。

ちょっとネクタイの話題から横道にそれましたが
円安=企業収益アップ=給与のアップ=景気回復とは
簡単にいかないかもしれませんね。